走りについて
加速
前車が2002年式YAMAHA YZF-R1(5PW)でしたので、あんまり遅いバイクはヤダな..という思考があったのですが杞憂に終わりました。さすがに排気量1200ccなのでまあまあ速く、時速100kmまでの加速はほぼワープ感覚。さすがに高回転の頭打ち感は4発よりありますが、スーパースポーツから乗り換えてもなんら不満ない走りをしてくれます。
脳みそが処理しきれないほど強烈な加速、ではないですがギリギリ使い切れる感じでちょうど良い。オートバイってだいたい100psぐらいあれば相当マッチョですよね、そういう感じです。
さらに当たり前ですがツインなので4発より低速トルクは強い。シフトサボっても低回転から猛然とダッシュしてくれますね。1速で不用意に開けるとぽんぽんフロント上がります。しかしトラクションコントロールで点火カットされて姿勢制御が入るので、ウィリーしたかったらOFFにすればOKです。
ブレーキング
フロントブレーキはフローティングダブルディスク、ブレンボ製4ピストンモノブロックブレーキキャリバーということで制動力に不満はありません。レバーの感触もかっちりしたフィールで操作性が高いですね。
ABSも搭載されており安心して握り込めます。なかなかにヘビー級なバイクですがそれに見合ったブレーキ性能です。
さらにABSは「パーシャリーインテグラル」と呼ばれる機能を搭載しており、フロントブレーキを掛けると微弱にリアブレーキを自動で掛けてくれるというハイテクぶり。
コーナーリング
コーナーリングは巨体から想像がつかないほど軽快です。峠道でスーパースポーツについていける、という噂を聞いていたのですがあながち外れではないかな、といった印象。
フロント19インチでどっしりとした安定志向のハンドリング。変な切れ込みやアンダーは一切無く、狙ったバンク角でピタッと吸い付くように安定してくれます。
このあたりは縦置きクランクシャフトによるジャイロ効果(バイクが起きようとする力)低減が効いているのかもしれません。
ボクサーエンジンはバンク角が気になるところですが、R1200GSの場合シリンダーヘッドが割と高い位置にありますので全く問題ありません。
高速巡航
高速巡航はゆとりあるエンジンパワーと高い直進安定性によって非常に楽ですね。エンジン回転数は6速、100kmで3750rpmぐらい。
ただし先述したように風防効果については意外と高くない印象。
エンジンの熱
ボクサーエンジンは熱が足に伝わりにくいのが美点の一つです。車体横に飛び出したシリンダーヘッドが効率よく冷却されるのか、驚くほど熱が来ないですね。
4発に乗っているときは内ももが低温やけどしそうになるぐらい熱くなっていましたがそれが全くない。夏はとても快適に乗れると思います。一方で冬場はエンジンの熱で暖を取ることはできません。
シフトアシストPro (オートシフター)
シフトアシストProと呼ばれる、オートシフター機能がめちゃくちゃ気持ちいいですね。クラッチを握らないでもシフトアップ/ダウンができる機構です。シフトペダルを操作するだけで自動で点火カットしてくれてスコスコギアが入ります。
ギアチェンジした瞬間、マフラーから「ボッ!」と小気味好いサウンドが出るのもスポーツマインドをくすぐってくれます。手動でクラッチ握ってギアチェンジするよりも明らかに変速スピードも速いですね。シフトダウン時はオートブリッピングで回転合わせをしてくれます。
シフトアシストProの弱点
ただし完璧ではなく、アクセル開度が少なかったり回転数が低かったりすると結構な確率でギクシャクします。なのでゆっくり街中をアクセル開度少なめで走っているときは普通にクラッチを握ってギアチェンジしています。その方がスムーズに走れるからです。
その辺りはもともとオートシフターはレース車両からフィードバックされた技術と言うことも関係しているのかもしれません。ガンガンに気持ちよく飛ばしているときほど使いやすい、という癖があります。
それから1速から2速へのシフトアップ時も高確率でギクシャクします。さらに、クイックシフターでのギアチェンジ時のシフトペダルは割と硬めな操作感です。
ニュートラルに入りにくい
各ギア間の繋がりはスムーズですが、唯一ニュートラルに入りにくいですね。これは結構多くのGSオーナーさんが言われていることなので個体差ではないはず。数少ないウィークポイントの一つと言ってもよいですね。とはいえまるで入らないかと言うとそんなことはないです。
オフロード
一応オフも走れるバイクではありますがやはり重さがあるので無理は禁物。調子にのると怖い目に合います。(笑)
これをガンガンオフで乗りこなすにはドイツ人並みの体躯が必要です。
ディティール
純正オプション アクラポビッチサイレンサー
純正オプションのアクラポビッチ製スリップオンサイレンサー。低音の効いた良い音です。車検対応。
ダイナミックESA
ダイナミックESA(イーサ)と呼ばれる電子制御サスペンション。
- ソフト
- ノーマル
- ハード
の3段階で硬さ調整が可能。
さらにプリロード(初期荷重)を設定することができます。
- 1人乗り
- 1人乗り + 荷物
- 2人乗り
の3種類。設定すると、車高がウィーン!と上がってハイテク感を味わうことが出来ます。
ハンドルバー
ハンドルバーは幅広でシートからの距離も少し遠目。完全にドイツ人の体格に合わせて設計された感がすごいです。ローシート仕様なのでなおさら遠くなっていると思われます。
ハンドル幅がかなりあるのですり抜けも苦手ですね。
私のように小柄な日本人が乗車すると、やや「ハンドルを取りに行く」ような姿勢になりますね。
ハンドルライザーキット(ハンドル位置を上&手前に補正するブラケット)や、小柄なライダー向けのハンドルバーそのものが社外品で販売されているのでそれらを活用するのも手かもしれません。
でも我慢できないほどの違和感か?と言われるとそうでもなく、私は体を慣らすことで解決することにしました。
クラッチレバー
クラッチレバーの操作感がめちゃくちゃ軽いのも特徴の一つ。クイックシフターと合わせて、左手がほとんど疲れないので助かります。
フロントホイール(19インチ)
オフロード走破性を視野に入れた19インチフロントホイール。タイヤサイズは120/70R19。オンロードでのハンドリングが犠牲になっていないのが美点です。
リアホイール(17インチ)
リアホイールは17インチ。サイズは170/60R17です。
タイヤ ミシュラン ROAD 5 TRAIL
タイヤはミシュランのROAD 5 TRAILを納車時に新調。温度依存が少なく冬場のツーリングでも安心感がありますね。接地感をしっかり感じられてスポーツ走行時も楽しくバンク出来ます。
9割以上オンロードなので、オフロードのことは考えないでセレクトしました。

出典:BikeBros.
純正はミシュランのアナキーアドベンチャーという、少しばかりオフのことも考えたタイヤです。
フロントブレーキキャリパー
フローティングダブルディスク、ブレンボ製4ピストンモノブロックブレーキキャリバー。コントローラブルで秀逸なブレーキです。
重たい車体をピタッと止めてくれますね。ABSによる安心感も絶大です。
リヤブレーキキャリパー
リアもブレンボ製キャリパー。ブレーキホースともう一本黒いコードが見えていますが、前後ブレーキ連動の電子制御用配線だと思われます。
ラバーステップ
大きめでオフ車的なステップは可倒式。オフブーツを履いたときのマッチングも良いはずで、ラバーは外すことが可能です。
タンデムステップ
タンデムステップも肉厚のラバーとなっています。
サイドスタンド
サイドスタンドはいわゆる「ゲタ」を履かせてあります。アールズギア製のアクティブコンフォート スタンドハイトブラケットですね。
左側通行の日本では、通常停車する場合左端に止めることが多い。逆に、右側通行のドイツでは道路右端に停車します。
道路の両サイドって少し低くなっていますよね?だから本国仕様のサイドスタンドは短め。
右側通行のドイツ、左側通行の日本で最適な長さが変わるんですね。左側通行用に補正する、というイメージです。
BMW R1200GSでキャンプツーリングに行こう!
以上、BMW R1200GSのインプレについてでした。
長くなりましたが、手短にこのバイクの良さをまとめると以下になります。
- どんな路面状況でも安心して走れる万能アドベンチャー
- キャンプツーリングへの適性が極めて高い「旅バイク」
- 成熟したボクサーツイン&電子制御で味わえる抜群の走り
キャンプツーリングが主目的で購入を悩まれている場合、間違いなく最高の1台。BMWの新車は高額ですが中古ですとグッと買いやすくなるので狙い目です。
ぜひキングオブアドベンチャーの走りを楽しんでみませんか。
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