BMW R1200GS 車両インプレ
R1200GSとは?
R1200GSは、BMWからリリースされているアドベンチャーカテゴリーのオートバイです。
伝統のボクサーツインエンジンと足長な前後サスペンションを搭載。オフロードから高速道路、そしてワインディングどこでも快適かつ安全に走れるマルチな一台。
※現行モデルは排気量UPしたR1250GSとなっています。
R1200GSを選んだ理由
キャンプツーリングが主目的だったのでアドベンチャー系のバイクを探していました。
中でもやっぱり王道のGSかな、と。流行りのカテゴリーなので、各社気合が入ったカテゴリーでもあります。でも不思議と他社のバイクは気にならず、GS指名買いでした。
ただし中古です。新車は高すぎて普通のサラリーマンにはかなり厳しい…というわけで2015年式、走行距離3万2440kmとちょい過走行気味な個体を安めにGETしました。
ちょっとだけ迷ったのはYAMAHA トレーサー900の新車を買える予算であったこと。でも本当に欲しい車種を変更するのは良くない、という思考が勝りました。
それから、F850GSの高年式な中古車も悩みましたね。でもやっぱりBMWはR(水平対向)でしょ、という考えからR1200GSにしました。
私共は設立以来守り続けていることは「きめ細かいアフターサービスの提供」です。 私共の考えるアフターサービスとはオートバイ…
あとはBMWディーラーが事務所から歩いて行ける距離だということもちょっとだけ関係アリ。納車も楽ですしね(笑)
BMW Rシリーズの特徴
水平対向エンジン
1,169ccの水冷水平対向DOHCエンジンを搭載。
- 最高出力125ps/7750rpm
- 最大トルク125N•m/6500rpm
水冷DOHCということで、ビュンビュン元気よく回ります。2気筒らしい鼓動感みたいなものは希薄で、結構4発に近いフィーリング。
しかしめちゃくちゃ洗練されているか、と言われると案外そうでもなくガサツなところもあったりする。特に6000回転以上回すとそれなりに振動は多いです。でもそれが良く言えば味わいに繋がっているような感覚ですね。
サウンドはジェントルな重低音。ドスの効いたビートを奏でてくれて、高音は出ないけどコレはコレで気持ちいい。よく軽飛行機みたい、と形容されることがあるけどまさにそんな感じ。(軽飛行機乗ったことないけど..)
クランクシャフト縦置きなので、停車時に空ぶかしするとジャイロ効果で左にちょっとだけ持ってかれるのが楽しいです(笑)走っているときはホイールのジャイロ効果で相殺されるのか、全く気にならないのが不思議なのですが。
テレレバー
フロントサスは独特の構造でテレレバーと呼ばれています。専門家ではないので詳しい解説はできませんが、ごくごく簡単に説明するとフロントフォークが3本あります。
この挙動に慣れてしまうと、通常のテレスコピックサス(2本サス)のバイクに乗った時にフロントのノーズダイブがやけに気になってしまいます。
シャフトドライブ
シャフトドライブでチェーンメンテから解放されます。雨の日やダート走行後も、シャフトケースの外側に付いた泥汚れを拭き取る程度でOK。美観が気にならなければそれすらもやる必要ないですね。
コレは本当に楽で次もシャフトドライブのバイクにしたいぐらい気に入ってます。
一方で、パラレバー機構(スイングアーム上部のアーム)によってシャフトドライブ特有の加速時にリアが持ち上がる「テールリフト現象」を抑制。変なクセが一切ないのがすごいところ。
ユーティリティ
足つき
中古で購入したので正確ではないのですが、おそらく私の個体はローダウン仕様のプレミアムスタンダード。ローシートとローダウンサスで車高を下げたモデルです。
プレミアムライン = 850/870mm (本国標準)
プレミアムスタンダード = 840/860mm
シート高は2段階調整式で840/860mm、840mmのロー仕様で乗車しています。
足つきは意外と良く、私は身長166cm短足ですが普通に乗れてます。さすがに両足を着地すると母指球は着かずつま先立ちです。
しかしお尻をずらして片足を着地すればほぼかかとまで着地。体格や足つきで諦めるオートバイではない、ということはお伝えしておきたい事実です。
シート(2段階調整機能)
シート高さは2段階調整式。キーシリンダーがシート下に設けられており、回すとシートが外れます。シート取り付け部の金具を裏返すと高さが変わります。
取り回し
取り回しは、低重心なおかげで思っていたよりも軽い…と良く言われますが正直言ってビッグバイクらしい重さは確実にあります。少なくとも気軽に乗れる感じではなく、コンビニに行くだけだったら絶対乗らないです。
でもムキムキに筋力がないとダメというほどではなく、最初はちょっとおっかなびっくりでしたが慣れれば割といけちゃう感じ。
前向きに傾斜している駐車場に頭から突っ込んだら結構厳しいモノがありそう。それから、足つきはどちらかと言えば悪い方なので、またがった状態での取り回しも結構しんどい。
ただ、これは良く言われていることですが走り出しちゃえば軽快そのものですね。
キーシリンダー
2017年以降のモデルはプッシュ式のキーレススタートになっていますが、私の2015年式はイグニッションにキーを差し込んで回すオーソドックスな形式です。
ガソリンタンク
ガソリンタンク容量は20L。燃費は普通に走って20km/Lぐらいがアベレージ、航続距離は400km近いのでロングツーリング時の給油の負担は少ないです。
ETC2.0標準装備
ETC2.0が標準装備。タンデムシート下に車載器が格納されています。
灯火類
灯火類はフルLED。ヘッドライトの造形がとてもカッコよく「GSらしさ」がもっとも出てるポイント。ウィンカーは薄型でスマートです。
テールランプ。消灯時は白色ですが、もちろん赤く光ります。
マッドガードエクステンション
フロントフェンダーはツアラテックのマッドガードエクステンションを装備しています。クチバシ、と呼ばれているパーツですね。
水・泥ハネの低減はもちろんのこと、よりアドベンチャーバイクらしさを強調するカスタムパーツです。
計器類
計器類。大型の2眼アナログメーター+液晶のインフォメーションパネルです。
出典:ヤングマシン
2018年モデル以降はフルTFT液晶のメーターパネルにチェンジしていますので、少し古さを感じる部分。
とはいえ見やすさに関してはアナログメーターも悪くないです。
ハンドルスイッチ類(左)
左側のハンドルスイッチ類。グリップとスイッチボックスに挟まれているのは純正ナビ操作用のジョグダイヤル。
- 上段上からクルーズコントロール、ハザードスイッチ
- 中段左からインフォメーション/TRIP切り替え、電子制御サスの設定
- 下段ウインカー、ホーン
- さらに奥にハイビーム/ロービーム切り替え、パッシング
左側はボタンが多く慣れるまで少し戸惑います。
ジョグダイヤルは純正ナビを持っていないので用がありません。ジョグダイヤルのせいでウィンカースイッチが少し遠い感じがします。
そして、珍しいクルーズコントロールが付いています。
果たしてバイクに必要な装備なのか?と思っていましたが、長距離ツーリングの際に手の疲れが圧倒的に少なく一度使うと癖になります。ブレーキやクラッチを操作すると解除されます。
ハンドルスイッチ類(右)
右側のハンドルスイッチ類。上から
- グリップヒーター
- 走行モード切り替え
- キルスイッチ&セルモーター
グリップヒーターは2段階調整式で良く効きます。ウィンターグローブをしていても明確に暖かく一度使うと手放せません。
それから余談ですがハンドルスイッチ周りのデザインが秀逸だと感じています。特に高級感があるわけでもないですが、安っぽくない。
ハンドルグリップにはキジマ(Kijima)のグリップシュリンクチューブを被せてあります。
純正グリップが摩耗してしまうと、グリップヒーターASSYで交換が必要となります。(非常に高くつく。)そのため、カバーを被せて純正グリップを保護するのが定番のカスタムとなっています。
電源ソケット(ヘラソケット)
ヘラソケットといういかにもドイツっぽい規格?の電源ソケットがメーター右側に備えられています。
そのままだと使えないので、ヘラソケットから電源をとってUSB電源(5A×2)に変換するプラグを装着しています。
スマホやアクションカムなどの充電が可能です。
純正パニアケース
純正パニアケースです。キャンプツーリングに必要な積載量はたっぷり。純正キーで開閉可能な上、取り外しもワンタッチなので使い勝手に優れます。
ケース内部のレバーを動かすことで、ワンタッチで容量の拡張が可能な優れもの。
価格:12万6,576円
目ん玉飛び出るぐらい高価ですので、中古で付いているのはお得感ありました。
フロントスクリーン
フロントスクリーンは2段階調整式。
スクリーン内側のツマミを手動で回転させて切り替えます。電動調整機構が欲しかった、というレビューを見かけますがクリクリと操作しやすいので手動でも悪くないです。
割と大きめなフロントスクリーンが標準装備されているのですが思っていたよりも風防効果は少なめな印象。ハイポジションでもヘルメット頭頂部や肩にはそこそこ風が当たります。
それからスクリーンのセンター部分に折り目が付いたデザインなのですがこれが微妙に見にくいので、フラットなタイプのスクリーンに交換しても良いかもしれないですね。
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