トヨタ ヴェルファイアはダサい?
ちょっとした旅行で鹿児島に来ており、レンタカーで3日間、30系トヨタ ヴェルファイアに乗ることになったのでヴェルファイアについて中距離インプレッションです。
多人数での旅行なので現地でヴェルファイアをレンタルしました。
オラオラ系のコワモテミニバンとして日本の道路を席巻する、ちょいワルオヤジ御用達のヴェルファイア。
個人的にはフロントマスクがイカツすぎると感じますので、購入の選択肢に入ることは無い車種です。
実は最近、中古車買取相場のバブルが崩壊しました。
少し前まで、半導体不足で新車の納期が遅れており、待ちきれない人が中古車に流れていました。
そのため買取価格はバブル状態でしたが、今は過熱気味の市場は落ち着きを取り戻しつつあります。
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ヴェルファイアはダサくない
結論から言って、個人的な主観ではありますが、ヴェルファイア=ダサいというのは早計です。
3日間レンタルしたところ、上質なファミリーカーとしての実力は非常に高いと感じましたし、ややアクの強いデザインも見慣れてくれば馴染んできます。
ただし、巨大なギラギラメッキが施されたフロントマスクは、筆者の感覚からすると、やはりやや下品ではあります。
オラついたデザインが良い、という需要に応えたものですが、求めない方にとっては明らかにやりすぎですね。
「マイルドヤンキー」そして「ヤンジー」向け
なぜヴェルファイアはヤンチャな人たちばかり乗ってるの?🤔
【答え】
トヨタがもともとマイルドヤンキー・ヤンジー向けに売ろうとしてる車だから😜(画像はトヨタの販売店のマニュアル) pic.twitter.com/3YK5PNLl9l— cool cars (@coolcars_kirei) December 22, 2021
数年前に、トヨタの営業マン向け販売マニュアルが外部流出して話題になりました。
ヴェルファイアの購入顧客層を「マイルドヤンキー」や「ヤンジー」とセグメント分けしており、小馬鹿にしたような表現で分類していました。
客を馬鹿にしているのでは?と炎上した事件です。
その資料に登場する「マイルドヤンキー」そして「ヤンジー」が求めるデザインセンスを体現したのが、ヴェルファイアのデザインです。
「マイルドヤンキー」や「ヤンジー」は、ドヤれる、威張れるデザインを好みます。または、他を圧倒する迫力のようなものを車に求めています。
そういった顧客層は日本のマーケットにおいて「マス」(大衆)であることをトヨタは知っています。売り上げ重視した結果のデザインということですね。
つまり、ヴェルファイアのデザインは、トヨタの狡猾なマーケティング戦略によって生み出されたデザインなのです。
個人的には、とても古い価値観だと感じます。車のデザインで威張ったり、ドヤること自体が恥ずかしい行為ですし、昭和です。
ただ一方で、ヤンジーの自尊心は満たせるんですよね。
また、こういった価値観は日本独自のガラパゴス思考です。海外メーカーではこんなオラついた顔のミニバンはラインナップされていません。
決してダサい、とまでは言いませんが、やや古い、いかにも日本的な価値観のもとに作り出されたデザインである、という結論です。
ヴェルファイアの試乗インプレッション
しかしながら、この国民的人気車両について、その乗り味等に「一人のカーマニア」として興味があったので、今回のレンタルは願ったりかなったりです。
というわけで、ヴェルファイアのインプレッションをお伝えします。
上質なミニバンである
先に総評的なところです。結論から言って、車としての仕上がりは非常に良くできています。
やはり車格なりの上質感は十分に感じさせてくれました。人気車種だけあって、トータルバランスに優れた車に仕上がっていると感じます。
距離を走っても疲れにくい、いい車です。
モデルイヤー
正確な年式は不明ですが、今回お借りしたのは、2015年以降の2代目となる現行モデルになります。いわゆる’30系’ヴェルファイアですね。
グレード
グレードは、装備から察するにベースグレードである「X」。(レンタカーなので…)
ドライブトレインは2.5リッター直列4気筒+マニュアルモード付きCVT。最高出力は182馬力、トルクは24.0kg・m。
上位グレードは3.5L V6を搭載していますが、燃費や維持費の問題か、あまり人気がありません。
2.5L直4の方が人気&リセールにおいて上回っています。
ヴェルファイアの装備(ディティール)
オプション装備
パワーシート、クルーズコントロールといったオプションはレス仕様。
ただしオートライト、革巻きステアリング、フォグランプ等は付いており、「本当に何も付いていない感」が無いのはせめてもの救いでしょうか。
いわゆる「上級ミニバン」の装備内容としては少し寂しい気もしますが、本当にスッピンのベースグレードなので致し方ないところ。
本革巻きハンドル
本革巻きのハンドル。アクのない中庸なデザインでまとめられています。
ステアリングフィールは、トヨタの乗用車にありがちなやや軽めなセッティング。運転のしやすさを最重視したフィーリングです。
一方で、ノア・ヴォクシーなどに比べると車重の影響もあり、やや落ち着いたフィーリングで高級感もあります。
シフト&ナビ周り
エクステリアは押し出し感が強すぎてちょっと苦手ですが、インテリアの造形はわりと好みでした。
センターの加飾部はメタル調、木目調のパネルを嫌味のない感じでレイアウト。
上段からナビ、エアコンの操作パネル、シフトノブと全てが自然な位置にあります。
ダイヤル式の物理的なエアコンスイッチは操作しやすいですし、ハザードスイッチや電気式パーキングブレーキのスイッチなども位置、操作感いずれもよく考え抜かれています。
インテリアは二段構えで立体感や奥行き感を持たせています。
ダッシュボード&ドアトリム
ダッシュボード&ドアトリムは「革張り(風?)」。トヨタのフラグシップミニバンということもあり、上質な世界観が構築されています。
メーター周りのフォントやデザインも大人っぽい印象。やりすぎない範囲でデザインが効いており、シンプルすぎず、ゴテゴテすぎず。高級感を上手に演出しています。
インテリアはまずまず上質なデザインなので、フロントマスクももう少し抑えめになったら良いのですが。
ヴェルファイアの走行性能
静粛性
タウンスピードでの静粛性は高く、エンジンが遠くにあるような感覚。上級ミニバンということで遮音材が多めに入っているのでしょう。
高速道路でも、これだけ前面投影面積が大きいにも関わらず、気になる風切り音などは発生しません。
この辺りの作り込みの良さは世界のトヨタを感じさせてくれますね。
ハンドリング
低床設計により重心が低く、この手の背高車として、ハンドリングも過不足ない出来栄え。鹿児島の峠道も難なくこなしてくれました。
乗り心地
足回りのセッティングは柔らかすぎない感じで、好感が持てます。乗り心地も良い。この手のミニバンにありがちなリアのドタバタ感もなく洗練された感触。
弟分であるノア・ヴォクシーに比べると明らかにワンランク上質な感覚がありました。
エンジンパワーは?
2.5リッターのエンジンは十分な出力を発揮。
大人5人+子供2人のフル乗車に近い感じで山坂道を走りましたが、少なくとも遅いと感じることはほぼ無かったように思います。
よく躾けられたCVTと実用域でのトルクを過不足なく発揮するエンジンの組み合わせは、クセが少なく扱いやすい。
タウンスピードでは常に1100回転ぐらいに維持され、無駄な燃料は燃やさないという執念のようなものが感じられます。
小回りが利く
大柄なボディから、運転がしにくそうと思いがちですが、タイヤの切角が非常に大きく、小回りがよく効きます。この辺りの扱いやすさはトヨタ車らしい仕上がりですね。
ただ、特に小柄な運転手だと、鼻先の見切り感はイマイチ掴みにくいかも。
釣りやアウトドアアクティビティにもマッチ
釣りやキャンプなどアウトドアアクティビティにもマッチします。
これで霞ヶ浦オカッパリに出かける事を想像してみました。
圧倒的なスペースユーティリティ、疲れの少ない上質なドライブフィールによって、オカッパリランガンを至極快適にしてくれる事は間違いありません。
当然、車内スペース効率を優先的に考えたミニバンですから釣り竿の収納も思いのまま。
小回りも利くのでランガンで繰り返される駐車の際にストレスも少なく済むでしょう。
むしろ快適すぎて、後席でふんぞり返って釣りにならないという危機感が多少生まれます。
30系ヴェルファイアのデメリット
エンジンのフィーリングがイマイチ
唯一のウィークポイントとしては、4気筒エンジンの回転フィールがあまり良くないという点。
まあ上級グレードの3.5リッターV6と違い、単なる実用エンジンでしょうから、回転フィールや気持ち良さを求めること自体間違っていると思いますが…
そこまで求めなくとも、上級ミニバンとしてちょっとイケてない感じのエンジンです。
深く踏み込んだ際に、「びぃ〜〜ん」とあまり良くない音、それも結構大きな音が車内に響き渡ります。普段は静かなだけに、なおさら残念ですね。
総評:ファミリーカーとしてレベルが高い仕上がり
以上ヴェルファイアの中距離インプレッションでした。
やや古い価値観によってゴテゴテに飾られたフロントマスクが気に入れば買いですし、そうでない場合は他車種がおすすめです。
車としての仕上がりは非常に高いレベルで、ファミリーカーとしての実力は相当に高い水準です。
マイルド顔のヴェルファイアがあったら、より広い顧客層にリーチすると感じます。